著者のコラム一覧
首藤由之年金・老後資金アドバイザー、特定社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

1959年生まれ、慶応大学経済学部卒業後、朝日新聞社入社。「AERA」「週刊朝日」などで主に経済分野を取材執筆、朝日新書編集長、書籍編集部長などを歴任後、編集委員。現在は人生後半期のマネー関連の取材、記事執筆を行っている。著書に「これだけ差がつく! 老後のお金」(ディスカヴァー携書)、「『ねんきん定期便』活用法」(朝日新聞出版)、「『貯まる人』『殖える人』が当たり前のようにやっている16のマネー習慣」(CEメディアハウス)。

(10)年金繰り上げ反対論を論破する

公開日: 更新日:

 5年遅らせると年金が42%増、10年なら84%増──前回、もらうのを遅らせることで年金を増やす「繰り下げ」を取り上げ、65歳以降の「魔術」などと書いたが、魔術だけあって、まるで「魔女退治」でも試みるかのように繰り下げに反対する声も多い。彼らの主張は的を射ているのだろうか。

 よく聞くのは、「早く亡くなったら損」というものだ。繰り下げている間に亡くなると、年金をもらわないままになってしまうからだ。

 確かにこの場合、自分の年金を受給して使う機会はない。しかし、本人がもらえなかった分、請求すれば遺族がもらえる。65歳時の「増えない年金」になるが、最長5年さかのぼってもらうことができる。家族全体で見れば「イーブン」なのだ。

「追いつくのが遅い」という意見もよく聞く。「追いつく」とは、原則通り65歳からもらい始めた人に、総受給額がいつ追いついて追い越すか、その時期を指す。

 この場合、何歳まで繰り下げても追いつくまでに「12年弱」かかることがわかっている。68歳からもらい始めると約80歳だし、70歳からもらい始めると約82歳である。

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