U17元監督・森山佳郎氏が見抜いていた瀬古歩夢、菅原由勢、鈴木彩艶の「大器の片鱗」
U17日本代表を4世代にわたって指導した森山監督は、これまでDF槙野智章(現藤枝監督)、FW久保建英(レアル・ソシエダード)をW杯に送り出している。彼らに続くのは誰か? 瀬古や菅原由勢(ブレーメン)ら「00年世代」を中心に教え子たちへの期待を聞いた──。
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──久保と一緒にU15代表から上がってきた選手に瀬古がいます。
「瀬古はヤンチャで、セレッソ大阪の関係者から『代表に行くと勘違いするので呼ばないでください』と釘を刺されました(笑)。でもサイズがあり、技術が高く、強気で物おじしない性格で大物になりそうな予感は確かにあった。『こちらで教育しますから』と伝えて継続的に呼びました。U17でも練習態度が悪くて僕に怒鳴られることが何度か。本人はあっけらかんとしていましたけど(笑)。あの強心臓は頼もしいです。日本代表でも何度かやらかし、森保監督から呼ばれない時期がありましたが、ここへきてチャンスをつかみつつある。楽しみです」
──菅原もコアメンバー。
「名古屋U15にいた中学生時代から、大人と普通に会話できる大人びた子。賢いし、吸収力も高い。伸びそうな人材でした。チームではFWや中盤だったが、僕は右SBの適性があると思って起用し続けた。自分が見たU17代表4世代の中で全活動皆勤賞は由勢ただ1人。<無事是名馬>という言葉がありますが、まさに彼はそうです。代表では守り抜きたい時の右WBや3バックの右で使える人材。チームの盛り上げ役としても、長友選手(FC東京)の後継者になれるだけの器もある。期待したいですね」
──中村敬斗選手(スタッド・ランス)も同じ2000年生まれです。
「当時から敬斗はシュートが強烈で得点を一番決めていた。自分の間合いになった時の迫力は凄まじかった。右MFで仕掛ける力もありました。今は攻撃に加えて守備力が格段に伸びた。それが代表定着につながりました」
気を使いすぎる鈴木に「片付け禁止令」
──GK鈴木は「00年世代」の飛び級でした。
「17年のU17W杯に(15歳で)連れていきました。当時は控えでしたが、ポテンシャルは圧倒的で『日本代表になる可能性は非常に高い』と感じた。(浦和で)21年のトップ昇格後も試合に出られず、その空白期間がなければ10代での代表もあり得た。そこまで突出した才能だと感じたのは、彼と(久保)タケの2人だけです。艶は人間性も素晴らしく、U17代表に来ると率先して片付けをしてくれました。試合に出た後も最後まで気を使うので『片付け禁止令』を出したほどです。あんなタイプの子はなかなかいませんね」
──鈴木と同じ2002年生まれの藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)もW杯の有力候補です。
「譲瑠は、コーチング力と統率力に秀で、東京ヴェルディ時代も率先して意思統一を図っていくところが凄く目を引きました。視野が広くて状況判断も速いのでミスも少なかった。いろんな使い方ができるのも強みです」
──その下の世代の後藤啓介(シントトロイデン)、佐藤龍之介(FC東京)も教え子。若手の選手層も向上しました。
「先を見据えて20歳前後の彼らを連れていってほしいですね。日本は世界のトップ5、トップ10に自信を持って挑めるところまで来ました。今回のW杯は、そこに上り詰める好機です。上を目指せるチームだと信じているので良い結果を期待しています」
(聞き手=元川悦子/サッカージャーナリスト 絹見誠司/日刊ゲンダイ)
▽瀬古歩夢(せこ・あゆむ) 2000年6月7日生まれ、25歳。大阪市出身。Jセレッソ大阪の下部組織から17年5月、16歳11カ月でトップデビュー。22年1月にスイス1部グラスホッパーに完全移籍。25年7月に移籍したフランス1部ルアーブルでもボランチ、CBで主軸としてプレー。19年のU20W杯メンバー入り。21年東京五輪代表(出場機会なし)。23年3月に日本代表初選出、ウルグアイ戦で代表デビュー。身長186センチ・体重81キロ。
▽森山佳郎(もりやま・よしろう) 1967年11月9日生まれ、58歳。熊本市出身。筑波大卒。94年にJ広島の主軸右SBとして前期優勝に貢献した。横浜F、磐田、平塚でプレーして99年に引退。元日本代表。広島ユース監督、U15日本代表監督などを経て23年にU17日本代表を率いてアジア杯(タイ)優勝。24年にJ仙台の監督に就任した。


















