著者のコラム一覧
最上悠精神科医、医学博士

うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。

(2)いまどき栄養失調? 一見、食べていても見直したい子供の栄養

公開日: 更新日:

 心を支える脳も体の一部であり、栄養が不足すれば、心の働きも不安定になる。不登校と栄養は無関係ではない。

 現代の子供は、カロリーは足りても、心と脳の働きに必要な栄養素が不足していることが少なくない。パンや麺、スナック菓子、甘い飲み物が中心で、体重は増えていても適切に食べているとは限らないのだ。

 たとえば鉄不足は、貧血だけの問題ではない。鉄は元気や意欲を生み出す体内のドーパミンづくりにも欠かせない。不足すれば、疲れやすく元気が出ない、頭が回らない、朝がつらい、集中力の低下や落ち着かないといった形でも現れる。鉄不足は不注意や多動で知られるADHDの症状も悪化させる。血液検査では貧血もなく血液中の鉄が正常値でも、体内の鉄の在庫であるフェリチンが低い、いわゆる隠れ鉄不足の子供が少なからず存在する。鉄剤で朝の体調不良やだるさが楽になる子は、臨床でもしばしば経験される。

 タンパク質は、ドーパミンだけでなく気分を安定化させるセロトニンなどの材料にもなる。肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品を取らないことによるビタミンB12不足や、野菜や豆などの偏食による葉酸不足でも、朝のつらさやだるさ、頭が回らない、といった症状は現れる。

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