「明治・大正のロゴ図鑑」友利昴著 ロゴから読み解く創業者の志や時代のムード

公開日: 更新日:

「明治・大正のロゴ図鑑」友利昴著

 企業のロゴマークは、時代を映す鏡といえる。明治後半から大正時代にかけてのロゴマークは、創業者の思いや個性を形にした昔ながらのものから、時代のムードを体現したものまで百花繚乱、玉石混交の様相を呈している。そんな明治30年代から大正時代までに商標登録された企業のロゴマークを紹介する図鑑。

 冒頭に登場するのは、マヨネーズ大手キユーピー社の初期のロゴマーク(大正14年商標登録)。

 マークの由来は、大正時代初期に欧米から伝わり日本で大ブームとなったキューピー人形なのだが、実は同社よりも先にキューピーマークを商標登録していた日魯漁業(現Umios)から融通してもらったという。

 当時は、人形の人気から多くの企業が独自のキューピーマークを商標登録しており、中には裸にハイソックス姿のキューピーなどもある(広島の清涼飲料販売会社)。

 また文房具やオフィス用品で知られるコクヨの初期マークからは、社名が「國誉」だったことが分かる。これは創業者の「いつか故郷に錦を飾る、故郷の誉れとなる」との志をロゴに転化したもの。

 ケチャップでおなじみのカゴメ(KAGOME)の最初のロゴマークは、ユダヤ教の象徴で知られる六芒星を丸で囲んだマーク(大正5年商標出願)。

 これは帝国陸軍出身の創業者が、上官への感謝の思いから陸軍の記章「互角の星」を採用したことに由来するそうだ。

 ほかにも、寝間着のようなローブ姿で十字架にはりつけになったキリストの姿を用いた薬種問屋のロゴや、頭は人間、体は牛の姿をした人頭獣身の妖怪「クダン」を用いた痔の薬など、奇抜なロゴも含めて約150件を網羅。

 ロゴのデザインから当時の企業の戦略やメッセージ、時代のムードを読み解いていく面白本。 (作品社 2640円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「墓じまい」に悩むシニア 費用や遺骨の始末より問題になる「家族の愛憎問題」

  2. 2

    馬場典子アナの「人生の転機」は日テレ入社7年目“福澤一座”の旗揚げ公演の初舞台

  3. 3

    長崎でも高市首相はスカスカ挨拶…戦争責任「反省なんかしておりません」95年の発言がSNSで猛拡散

  4. 4

    八王子実践・河本ロバート監督「ライブや家族旅行も、事前に相談があれば休ませます」

  5. 5

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  1. 6

    ヤクルト「早すぎた続投宣言」の代償…池山監督の来季続投決定後に泥沼、投手陣も崩壊

  2. 7

    国害SNSを告発 森山裕・自民党前幹事長「高市おろし」キーマンに急浮上の裏…不快感に国境なし

  3. 8

    中居正広氏が熊本地震被災地を支援と報道 引退後も変わらないチャリティー精神と芸能界復帰の可能性

  4. 9

    高市早苗がナチス礼賛本に推薦文…「♪盟友ナチス♪」の高須克弥を持ち上げた安倍晋三にも共通する体質

  5. 10

    巨人ドラ1候補に花巻東・古城大翔が急浮上! 父はG戦士「振り向けば古城」、岡本和真の後釜育成急務