著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

「便秘薬=酸化マグネシウム」は認知症の予防につながるのか

公開日: 更新日:

「マグネシウムの摂取と認知症の関係」について、興味深い論文が報告されました。この研究では日本人約1万3000人を8年間追跡し、食事からのマグネシウム摂取量が少ない男性ほど、認知症の発症リスクが高いことが示されています。

 最も摂取量が少ない群では、最も多い群に比べてリスクが約1.7倍に上昇していました。マグネシウムは神経伝達や脳の興奮を調整する働きがあり、不足すると神経細胞のダメージや炎症が進みやすいと考えられています。つまり、「足りない状態」は脳にとって好ましくない可能性があるわけです。

 ここで気になるのが便秘薬として広く使われている酸化マグネシウムです。論文でも、下剤としてのマグネシウム使用はサプリメント摂取に含まれており、一定の摂取源として扱われています。では、これを飲んでいれば認知症予防になるのでしょうか。残念ながら、そう単純にはいきません。この研究はあくまで「食事からの摂取量」と認知症の関連を見たもので、薬としての長期使用が予防効果を持つかどうかは直接証明していません。さらに、持病の影響で結果が変わる可能性も指摘されています。

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