10年前、ギャラクシー賞“大賞”に輝いたのは「報道ステーション」だった
先日、放送批評懇談会が主催する第63回「ギャラクシー賞」の贈賞式が開催された。注目のテレビ部門で大賞を受けたのは、戦後80年ドラマと銘打った「八月の声を運ぶ男」(NHK)だ。
本木雅弘演じる辻原保は、被爆者の証言を録音し続けた実在のジャーナリスト・伊藤明彦がモデルとなっている。ひとりで全国を歩き、1000人以上の声を集めた執念が胸を打つ。被爆者・九野和平(阿部サダヲ)の証言が事実と夢想のあいだで揺らぐ展開は、記憶を語ること・聞くことの重みを突きつけた。脚本はベテランの池端俊策である。
そして、今からちょうど10年前の2016年6月、第53回ギャラクシー賞の贈賞式が行われた。テレビ部門大賞に輝いたのは、「報道ステーション」(テレビ朝日系)の2本の“特集”だった。大賞をドキュメンタリーやドラマではなく、報道番組の特集が獲得するのは極めて珍しいことだ。
1本目の特集は同年3月17日放送の「特集 ノーベル賞経済学者が見た日本」だ。主役は経済学の世界的権威、コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授。政府会合の場で安倍首相(当時)に消費増税延期を進言したことが報じられた直後に、教授への単独インタビューを放送したのだ。


















