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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

クドカン脚本「ゆとりですがなにか」が“ゆとり世代”のカウンターパンチに

公開日: 更新日:

 ちょうど10年前の2016年6月、放送中だったのが、クドカンこと宮藤官九郎脚本「ゆとりですがなにか」(日本テレビ系)だ。タイトルの「ゆとり」は「ゆとり世代」の略。1987年4月から2004年4月にかけての生まれで、いわゆる「ゆとり教育」を受けて育った世代を指す。

 ドラマが放送された当時、「ゆとり世代」の若者たちは怒っていたはずだ。社会人になった彼らは、「使えない」「覇気がない」「ガッツが足りない」「言われたことしかやらない」と酷評された。さらに「ライバル意識がない」「危機感がない」「緊張感がない」と言われ放題だった。

 思えば、彼らもかわいそうなのだ。好きで「ゆとり」をやってきたわけではない。学校の土曜休みも、薄くなった教科書も国が勝手に決めたことだ。それでいて学力低下となったらポンコツ扱いじゃあ、文句のひとつも言いたくなる。そんな彼らの声なき声を感知したクドカンが、ドラマの形でカウンターパンチを繰り出したのがこの作品だった。

 まず、登場人物たちのキャラクターが光る。主要人物は、食品会社勤務の坂間正和(岡田将生)、小学校教師の山路一豊(松坂桃李)、客引きの道上まりぶ(柳楽優弥)、そして正和の同期にして上司、しかも恋人の宮下茜(安藤サクラ)だ。

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