著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

松岡茉優はNHKドラマ初主演で若手実力派女優から無類の演技派へと転身した

公開日: 更新日:

 女優・松岡茉優を強く認識したのは、2013年の朝ドラ「あまちゃん」(NHK)だ。地元アイドル「GMT47」のメンバー、埼玉出身の入間しおり役で顔と名前が知られるようになった。

 次が翌年の時代劇「銀二貫」(同)だ。あだ討ちで父を失った鶴之輔(林遣都)が、大阪で商人として生きていく。松岡が演じたのは、鶴之輔を慕いながらも孤児の自分を育ててくれた養母のために、その思いを封印して生きる真帆だ。松岡の抑えた演技によって真帆のけなげさが際立っていた。

 15年、今度は現代劇の「限界集落株式会社」(同)に出演した。舞台の「止村」は、まさに廃村ギリギリの状態。農家の老人たちのある者は病に倒れ、ある者は村を去っていく。そんな村に帰ってきたのが大内正登(反町隆史)だ。かつて有機農業の夢に破れ東京へと逃げた正登だが、母親(長山藍子)や娘の美穂(松岡)と共に再び農業に専念する。このドラマでの松岡は、田舎と都会の間で揺れる“屈折女子”がこれほど似合う若手女優はいないと思わせた。

 さらにこの年、松岡は深夜ドラマ「She」(フジテレビ系)で連続ドラマ初主演を果たす。舞台は高校。学年一の美少女・あづさ(中条あやみ)が突然姿を消してしまう。学校側は生徒から事情を聴くが、原因や行き先を知る者はいない。

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