著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

萩本欽一〈28〉コント55号のネタ1800本が「ぜんぶアドリブ」になった事情

公開日: 更新日:

二朗さんの記憶力はすごいのよ

萩本「そう。お客さんは困った二郎さんを見て笑うのよ。どんな言葉を返すのか、それが55号の間(ま)、55号の笑い。二郎さんが、こう泳ぐようにもがくようにしてるのがおかしいんでね」

増田「たしかにそうですね(笑)」

萩本「そのうちに役を全然忘れてね。例えば客引きやってる二郎さんに『旅館の料理はいくつありますか?』って僕が聞くの。そうすると二郎さんが『うちは20種類あります』なんて言ってね。歩きながら『ええと、まずは何々』って舞台の端からずっとしゃべってても、6種類ぐらい言うとね、思いつかなくて袖ついちゃうわけだよ」

増田「そこでまずお客さんが笑いますよね(笑)」

萩本「それでUターンして帰ってくる。そこでこっちがなんとかしようと時間を稼いであげるの。そうするとまた6つぐらい言うんだけど、また袖に着いちゃう」

増田「そこでまた笑うと(笑)」

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