衰退日本の地方(3)地域区分が時代状況と政策の変化によって恣意的に変わってきたことを論じる「新しい日本地理」重永瞬著

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 少子化の勢いはまったく止まらず、みるみるうちに地方が先枯れしている。

  ◇  ◇  ◇

「新しい日本地理」重永瞬著

 日本は狭いと思っている人は多い。しかし本当にそうか。狭くて小さな国が人口減少というと先細り感バクハツという感じだが、本当にそうか。

 本書はそこに新たな視点を加える。たとえば東日本と西日本の区分はフォッサマグナ(糸魚川-静岡構造線)と思われているが、言語地理学では糸魚川と浜名湖を結ぶ線で方言が変わることが知られる。「バカ」と「アホ」の使い分けも同様。東海地方には「タワケ」があることは意外と知られない。第2章ではプロ野球球団が関東関西中部以外に「札仙広福」と呼ばれる地方ブロック型の分布になっていることに注目し、日本全体の地域区分が明治以来、時代状況と政策の変化によって恣意的に変わってきたことを論じる。

 少子化問題にからむ出生率も同様。沖縄や九州一円の出生率が高く「西高東低」といわれるのは近年の話。戦前は東北が高く、それが戦後の人口抑制策のおかげで低下していった。

 本書の略歴では著者は京都のまち歩き団体「まいまい京都」のツアーガイド。専門は「縁日露店を中心とする近現代都市史」だそうだが、これではなんのことかわからない。ネットで調べると京都大の地理学の大学院生(博士課程)らしい。それを明示したほうがよかったろう。 (講談社 1540円)

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