著者のコラム一覧
増田俊也小説家

1965年、愛知県生まれ。小説家。北海道大学中退。中日新聞社時代の2006年「シャトゥーン ヒグマの森」でこのミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞してデビュー。12年「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」で大宅壮一賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。3月に上梓した「警察官の心臓」(講談社)が発売中。現在、拓殖大学客員教授。

加納典明(18)俺が撮った山口百恵の写真こそが本当のエロス。篠山紀信も「やられた」と

公開日: 更新日:

アラーキーとお篠の存在

増田「篠山紀信さんと1日ずつ撮影したんですよね、媒体は別だけど競作のような形で」

加納「そうそう、そのときですよ。そのとき“お篠”が言ったらしいですよ。『今回は加納にやられたよ』って」

増田「典明さんが篠山紀信さんを“お篠”と呼ぶらしいという噂は聞いていたんですが本当なんですね(笑)。紀信さんとかアラーキー(荒木経惟)*っていうのは典明さんにとってどういう存在なんですか」

※篠山紀信と荒木経惟(しのやまきしん/あらきのぶよし=アラーキー):加納典明と同時代に活躍したトップ写真家。女性のグラビア写真を主戦場とし、3人はライバル関係だとされた。篠山紀信はふわりとした作風でアイドルや大女優のここぞというときのヌードを美しく仕上げ、逆にアラーキーは庶民を撮影するような作風でアイドルの裸を読者の眼線にまで持ってきて世間を騒がせた。

加納「いいやつらだと思っていますよ。世間はライバルというんだろうけど、ライバルはいた方がいい。写真の良し悪しは好き嫌いだし、どれが売れるかはそれぞれ次第だし。自分と違う技とか考えとか思想とかいろいろ持った写真家がいるってのは僕は好きでしたね。今の若い連中にライバルなんていないでしょ。どうしてんのかなと思いますよ」

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