菅原氏は辞表提出 政治家から香典を受け取る側の処罰は?
先日、菅原一秀経産相が辞表を提出しました。これは自身の選挙区内の有権者の葬儀に、菅原氏の公設秘書が出席して香典を手渡したことが、公職選挙法に抵触する可能性があるとされたからです。
「葬儀に出て香典を渡すくらい問題ないんじゃないの?」と思われるかもしれません。そこで、問題点をあらためて整理します。
香典のように政治家が有権者にお金を渡す行為(寄付行為)を無制限に許してしまうと、有権者の票をお金で買ういわゆる買収が横行してしまったり、政治家の出費が増える結果、資金力のある政治家のみが当選する、生き残るという結果を生んでしまいかねません。そこで、選挙を公平公正に行うためのルールを規定している公職選挙法に、香典を含む政治家による有権者への寄付行為についての厳しいルールが定められています。
まず、政治家は名義のいかんを問わず、選挙区内の有権者に対してお金を渡すこと(寄付行為)が原則禁止され、罰則(50万円以下の罰金、公民権停止)も定められています。しかし、社会的な儀礼として、常識的な範囲で支払うことまで一切禁止することも行き過ぎですので、政治家本人が「自ら出席」して結婚式の祝儀や葬儀の香典を支払うことは、例外的に許されています。なお、この場合であっても、直接投票を依頼したり、明らかに高額な金額が包まれる場合は処罰対象となります。