長門市立図書館(山口県)「今」と「昔」をつなぐ文化の潮風
古来国内有数の漁港として賑わった山口県長門市。江戸時代以降は捕鯨の町として知られ、クジラを供養する回向は現在も行われている。詩人の金子みすゞ、幕末の吉田松陰が師と仰いだ村田清風らの生誕地でもある。
長門市立図書館は1998年、市街地の中心から現在の場所に移転。緑豊かな長門市総合公園の一角に位置し、通りを挟んだ向かいには劇場、体育館、レストランを併設する複合文化施設「ルネッサながと」がある。
司書の西間吏美さんが言う。
「当時の長門市総合計画の中で、『遊び、文化、読書』などを体験することができる施設建設を目的に作られたのが、現在の総合公園です。図書館の外壁にレンガが組み込まれているのも、周囲の景観との調和を考えてのもの。公園で遊んだ親子連れや、劇場帰りの方々が来館することもあります」
蔵書数は本館と分館、移動図書館を合わせて約22万冊。本館だけなら約17万冊だ。
「長門市立図書館では近年、バリアフリー資料収集に力を入れています。大活字本や、朗読CD、LLブック(障害の有無にかかわらず読みやすい本)など、誰でも利用しやすく、楽しめるものを取り揃えています」(西間さん)