南砺市立中央図書館(富山県)棟方志功関連は177点、独自の文学賞も決める「なんと!」な賑わい

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 富山県の南西部に位置する南砺市は、2004年に4町4村が合併して誕生した。合併後の市の中心部にあたる旧福光町に「南砺市立中央図書館」がオープンしたのは2010年。かつてショッピングモールだった建物をリノベーションして生まれ変わった、全国でも珍しい図書館だ。

 館長補佐の松井環さんが言う。

「もとの構造のおかげで天井が高く、とても広々とした空間です。車椅子同士がすれ違えるほど棚と棚の幅も十分に取っているので、利用者の方から『圧迫感がない』というお声も多数頂いています。さらに、国道に面した南西側の壁は一面ガラス張り。日差しに応じてロールカーテンを開けていると、開放感はバツグンですよ」

 南砺市は日本海側気候の影響で年間降水量は全国平均の約1.5倍、冬は腰あたりまで雪が積もる。それでも、同館は無料の地下駐車場を完備。エレベーターでそのまま館内へ上がることができるため、家を出てから図書館で過ごし、自宅に帰るまで一度も濡れる心配がない。足腰に不安のある高齢者でも天候に左右されず、好きな時に好きなだけ利用できるのがうれしい。

 蔵書数は約14万5000冊(うち開架は約7万1000冊)。郷土資料としては、元衆議院議長で南砺市名誉市民である綿貫民輔氏から寄贈された資料278点を特設展示するほか、戦時中に旧福光町へ疎開していた版画家・棟方志功に関する蔵書を177点保有。

 さらに、企業が雑誌購入費を負担する「雑誌スポンサー制度」を早くから導入しており、常時70誌を超える雑誌が並ぶ。書店でもなかなか見かけない専門誌も多く、訪れるたびに新しい出会いが待っている。

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