【特別編】ランは健康に良くない? 米国の研究が示す意外ながんリスク
拙稿「NYからお届けします」(日刊ゲンダイDIGITAL)で取り上げた“マラソンと大腸がんリスク”の記事がSNSで大きな反響を呼んだ。きっかけは、米バージニア州イノヴァがんセンターのティモシー・キャノン医師が学会で発表した研究だ。
キャノン医師のチームは、35~50歳のマラソンおよびウルトラマラソン愛好家100人を対象に内視鏡検査を実施。その結果、約半数のランナーにポリープが見つかり、さらに15%からは「進行性腺腫」と呼ばれる、がん化の可能性が高い腫瘍性病変が発見されたという。進行性腺腫とは10ミリ以上の大きさを持つ腺腫などを指し、大腸がんの前段階とされる。
この数字は通常より明らかに高い。平均的な40代の人で進行性腺腫が見つかる割合は高くても5~6%とされるため、15%という結果は専門家の間でも驚きをもって受け止められた。ただし今回の調査は100人という小規模なサンプルで、対照群を設けていない予備的研究に過ぎない。現時点では「ランナーだからリスクが高い」と断言できるわけではない。


















