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西潟正人東京海洋大 非常勤講師

魚の伝道師。1953年、新潟生まれ。魚好きが高じて全国の海岸線を巡り、神奈川県逗子市で地魚料理店を20年間営む。2017年から東京海洋大で魚食文化論の非常勤講師を務める。

「まるいち鮮魚店」では市場が相手にしない魚も隣の食堂で食べられる

公開日: 更新日:

「まるいち鮮魚店」(神奈川・三崎)

 マグロの水揚げ港で知られる三崎にも、定置網や刺し網などを営む沿岸漁業者が多くいる。遠洋モノに対して、いわゆる地魚だ。三崎港からほど近い路地裏に「まるいち鮮魚店」はあって、取れたての地魚を店頭に並べている。

 8月下旬に訪れたときは、アジ、キンメダイ、ムツ、ワラサが並び、一列奥にハチビキ、ブダイ、クロタチカマス、ハタ、タケノコメバル、カワハギ、メダイ、アンコウなどが水氷にひたされて新鮮そのものだった。

 そのクロタチカマスは相模湾で別名を「炭焼き」と呼ぶほど真っ黒い獰猛な顔つきの魚だ。観光客が驚き顔で見つめていた。

「脂が強いからね。燃やしながら焼くと、うめぇよ~っ」

 店主の松本英さんは3代目、先代も丁寧な仕事をする親父だった。店先の魚をさばく調理場では、カタクチイワシを簡単な道具で黙々とシコ刺しにしていた。煮干しになる魚は、「十度洗えばタイの味」といわれるほど手間を惜しまない仕事でおいしくなる。

 定置網には人気のタイやヒラメばかりでなく、黙っていては売れない魚も多くかかる。市場が相手にしない雑多な魚も選別して氷上に並べれば立派な商品になる。そんな魚の食べ方を威勢よく説明するのも、この店の人気の秘密だろう。

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