長門市立図書館(山口県)「今」と「昔」をつなぐ文化の潮風
月に1度、120人入れる視聴覚室で映画を上映
郷土資料のコーナーには、長門市に関する本や資料が豊富だ。
「金子みすゞ関連の書籍で出版されたものはすべて揃えており、近代以前の古式捕鯨を含め、漁やクジラに関する資料も豊富です。他には長州が舞台となっている、いわゆる『長州小説』のコーナー、市内には温泉も多いのでそれに関する資料など。市内にある仙崎港は終戦直後の引き揚げ港でもあったので、関連資料もあります」(西間さん)
伝統や歴史だけではなく、「今」に即した活動も行っている。
「長門市には映画館がないので、月に1度、120人入れる視聴覚室で映画を上映しています。本の配置も従来の分類法(NDC)だけでなく、『探す楽しみ』を意識し、工夫しています。今はネットで検索すると、情報がすぐに出てきます。そんな時代だからこそ、図書館の中を歩き、目当ての本を探し当てた時の喜び、楽しさを知ることも大事だと思っています」(西間さん)
館内はフタ付きの飲み物以外の飲食は禁止だが、外には広々とした公園もある。「ぶらりと訪れて、楽しめたらいいね」──それが長門市立図書館のコンセプトだ。
●住所 山口県長門市仙崎441-1(℡0837.26.5123)
●開館時間 毎週月曜日を除く午前9時30分~午後6時、土日祝は午後5時まで
●アクセス JR仙崎駅から徒歩15分、JR長門市駅から徒歩18分、水産校舎停留所から徒歩10分