左胸が「私、乳がんだよ」って…エリザベスエイトのミワユータさん闘病を語る

公開日: 更新日:

ミワユータさん(エリザベスエイトVo./46歳)=乳がん

「病気は私を不幸にはできない」と思いました。

 左胸はなくしたけれど、どれだけ自分が多くの仲間や家族に大事に考えられていて、私のために頑張ってくれる人がこんなにたくさんいるんだと知れました。

 今思えば、いったん病気に私の日常生活を貸してあげていた感覚。治ったときには病気が私に利子を付けて返してくれた。だから治ったらいいことしか起こらなくなる。こうして取材を受けることもそう。まさに利子を取り立てているところかな(笑)。

 始まりは2020年11月のステージ直前。衣装に贅肉を入れるためバストを寄せて上げる作業をしていたときに、ふと左胸が「私、乳がんだよ」って言った気がしたんです。不思議なんですけど、2015年に脳炎で死にかけたときに、いろんな不思議現象を体験していたので、このときの感覚も信じられました。

 すぐにクリニックに行って検査を受けたら乳がんが見つかりました。ただ、医師が「なぜこの段階で、自分で乳がんを発見できたかわからない」と言うくらいの状態。その後、大きな病院を紹介されました。コロナ禍でベッドが満杯だったので、しばらく待つのを覚悟した直後、急にベッドが空いて「明日から入院です」っていうミラクルでした。

 いろいろな検査の結果、2月4日に乳がんが確定して、3月12日に左胸の全摘手術が決まりました。メンバーのひとりが付き添いで一緒に結果を聞いてくれて、各方面への連絡は全部やってくれました。家族ががんになった経験を持つ人なので、とても冷静で的確。そしてバンド仲間も家族も誰ひとり悲観的になりませんでした。「がんと分かった。じゃ治していこう!」って感じで。

 その瞬間から、ネットでの“検索禁止令”が出ました。痛い、つらいで弱音を吐くのはOKだけれど、まだわからない未来をネガティブに想像するのはご法度にしたのです。私も「笑える乳がん闘病記」を書くことを決め、抗がん剤でスキンヘッドになったら毛皮のロングコートを着てカッコイイ写真を撮ってやろうと考えました。実際、やりましたしね(笑)。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし