「世界は団地でできている」団地団著
「世界は団地でできている」団地団著
団地が登場するさまざまな作品、特に「団地映画」を通して、社会や風俗、家族、ジェンダーなど、縦横無尽に語るトークイベントの書籍化。
団地映画に正史などないが、もしあるなら第1作は、1961年公開の森繁久弥主演「喜劇 駅前団地」だと定義。映画には売り出されて間もない百合ケ丘団地(神奈川県)の姿が収められており、その映像からも巨大団地がいかに開発主義的なものだったかが伝わってくるという。翌年に公開された「しとやかな獣」は、晴海団地(東京都)を舞台に、高度経済成長期の日本人の心のありさまを風刺的、先駆的に描いた団地映画の傑作だという。
以降、古今東西の団地映画や小説、漫画を俎上に、戦後社会の変遷を考える。 (集英社 1089円)


















