(1)インスリン治療は最終治療ではない…100人に1人は寛解
11月14日は「世界糖尿病デー(World Diabetes Day)」。インスリンを発見したフレデリック・バンティング博士の誕生日にちなんで国際糖尿病連合(IDF)などが1991年に制定した。日本ではこの日を含む1週間(今年は11月9~15日)を「糖尿病週間」として、全国各地で啓発イベントやブルーライトアップが行われる。せっかくだから、これを機に国民病といわれるほど患者数が多い糖尿病の最新事情・治療について知っておきたい。
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意外に思われる人もいるかもしれませんが、日本では糖尿病の総患者数が減少傾向にあります。厚労省の「患者調査」によると、糖尿病で治療を受けている患者数を2020年と2023年で比べると約579万人から約552万人と約27万人減少しています。予防意識の向上と医療体制の充実による成果だと考えられます。
とはいえ、糖尿病の重症者に対するインスリン注射治療の重要性が低下したわけではありません。糖尿病患者さんは、高齢化するに従って、インスリンの分泌量が減り、飲み薬だけでは血糖コントロールが困難になる重症者の数が増えると考えられるからです。


















