生成AI画像と児童ポルノ禁止法の境目 名古屋地検が起訴した注目の事件
生成AIで作られた画像であっても、条件次第では違法になる。今回、名古屋地検がこうした判断に基づき起訴に踏み切った事件が注目を集めています。
問題となったのは、小学校の元教諭が、実在する女児の写真をもとに生成AIで加工されたわいせつな画像を携帯電話に保存していたとされる行為です。画像は実際に撮影されたものではなくAIによる生成物でしたが、名古屋地検は児童ポルノ禁止法に違反するとして追起訴しました。
これまでAIで作られた画像やCG画像は「グレー」と見られることも少なくありませんでした。法律が問題にするのはあくまで「実在する子ども」だからです。漫画やアニメのように、現実の子どもと結び付かない表現は、原則として処罰の対象外とされてきました。AI画像も、単なる創作物として扱われる余地があると考えられているのです。
しかし今回のケースでは事情が大きく異なります。画像のもとになっていたのは、実際に存在する特定の児童の画像だったからです。AIで加工されていたとしても、もとが「実在する子ども」である以上、法律が守ろうとしている対象から外れることはないとして、名古屋地検は追起訴の判断をしたと思われます。ただし、現時点ではあくまで検察の判断であり、最終的に違法と認定されるかどうかは、今後の裁判で裁判所が判断することになると考えられます。


















