著者のコラム一覧
大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。最新刊は「酒好きの記」(集英社新書)

(43)群馬藤岡のうま酒探訪

公開日: 更新日:

 蔵で説明を受けながらも、予習したばかりの酒のほかに、酵母の異なるバージョンを試させてもらった。その酒も、抜群だった。

 生産量は決して多くはないが、あの頃、松原さんは、10月から6月まで蔵に張り付いて酒造りに取り組んでいた。2時間くらい取材したからといって何がわかるわけでもない。まして、私は酒の利き方もよく知らないし、そもそも酒を識別する舌も鼻も持っていない。そんな私でも、1年のうち8カ月を蔵に籠るようにして酒と向き合う生活を想像した。

 その想いを胸に、「流輝」を飲ませてくれる近くの酒場へ行った。お世話になっていた編集者と一緒に3種類の「流輝」を飲みながら、ミズダコの刺身や夏野菜の天ぷらなどをつまんだ。酒が、なにしろ、うまい。藤岡から帰京するのに、何時まで飲んでいていいのか。そんなことが気になるくらいまで、しっかり飲んだ。

【連載】大竹聡 大酒の一滴

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