小沢一郎氏が鬼気迫る演説 「弱者切り捨ては政治ではない」
危機感の表れではある。小沢一郎・生活の党代表が週末の2日間、異例の地元・岩手4区入りし、計30カ所を回って、各所で10分前後の辻立ち演説を行った。初日の土曜は氷点下で大雪が舞ったが、コートなし、手袋なしでビールケースの上に立った。
選挙期間中、通常は全国を応援で飛び回る小沢代表が地元で辻立ちするのは、実に31年ぶりだ。前回、自民党候補に比例復活を許した。今回もかつてない追い上げを受け、厳しい選挙戦となっている。
「みんな小沢先生に全然会っていない。それで今回は地元入りを強く要請した」(小沢派の岩手県議)
何十カ所も回る辻立ち演説は、かつて自分が繰り返し、その後、若い政治家に伝授してきた“小沢流選挙”。これを再び自らの地元で行ったことは、小沢氏にとって「原点回帰」のようなものだ。
各所に集まった100人前後の支援者に向かって、小沢氏はこう訴えた。
「自由競争と安倍さんは言います。しかし、自由に好き勝手やらせておいて、強い者が生き残り、弱い者は切り捨てる。これではもはや政治とは言えません。政治は、日本国中どこに住んでいても、どのような職業についていても、それなりのしっかりとした安定と暮らしを約束する。それが政治であります。かつての自民党はその考えを持っておりました。『地方に甘い。農村を大事にしすぎる。そっちにお金を使いすぎだ』と、いろんな批判をいただきながらも、『やはりみんなが良くならなきゃダメだ。地方が良くならなきゃダメだ』。そういう意識の中で政治を行ってきた。しかし、いまの内閣、いまの政治はどうですか。このまま安倍政治が続いたら、国民生活はダメになってしまいます」