橋下は辞めても二重行政の解消は止めるな
橋下徹・大阪市長が提唱した、いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票がホンのわずかの差で否決された。
この結果を受け、橋下氏は今年12月までの任期を全うした上で政界から退く意向を表明したが、はたして大阪市民のうち、どれだけの人々が「都構想」の中身について理解していたのだろうか。橋下氏のアクが強すぎる政治手法を好きか、嫌いか。今回の住民投票が橋下氏の単なる信任投票、あるいは人気投票になってしまった感は否めない。
橋下氏はなぜ、大阪を「都」にすることに強くこだわったのか。実は私にも理解に苦しむ点が多いのだが、好意的に見れば「二重行政の解消」に恐らく立ち向かおうとしたのだろう。
大阪に限らず、政令指定都市を抱える全国の府・道・県でも「二重行政」の弊害は、しばしば散見される。特に「教育」や「福祉」など地域住民の暮らしに直結する分野に、そのデメリットが顕在しているケースが多いように思える。