空き家は潰せばいいってもんじゃない
倒壊の恐れがある「空き家」を市町村が強制的に撤去できることなどを盛り込んだ特別措置法が、今週火曜に全面施行された。
特措法の施行により、市町村の法的強制力は飛躍的に強化された。市町村が老朽化した危険な空き家を、ひとたび「特定空き家」に指定すれば、所有者に解体や修繕の勧告・命令ができる。命令に従わない場合は、自治体が代わりに取り壊し、費用を所有者に請求することも可能だ。
高齢化や人口減の影響で空き家は増加の一途だ。いまや全国の住宅の14%、820万戸に上っている。私の故郷である広島県北部を車で走ると、5軒並んだ木造住宅のうち3軒が空き家という光景も目にする。空き家が問題化しているのは、過疎化が進む地方だけではない。東京だって随分と空き家が増えている。特に空き家の総数に占める賃貸住宅の割合は70%と、全国的にも突出して多いようだ。