高橋乗宣
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高橋乗宣エコノミスト

1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。

大戦前夜を彷彿…TPPに躍起になるほど世界の分断を招く

公開日:

 今国会の最大の焦点だというTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の審議が始まった。米国の次期大統領候補2人がそろってTPPに反対する中、政権与党が承認を急ぐ理由が分からない。

 安倍首相は「日本が先行する形で承認し、米国に促していく」と言っていたが、TPPへの傾倒は世界の分断に手を貸す結果を招くだけではないのか。

 世界各国の21世紀に入ってからの経済成長率を眺めると、日本が0%前後でへばりついているのは承知の通りだが、米国も欧州も低成長が続いている。リーマン・ショックを経て、低迷にさらなる拍車がかかり、深刻な長期化の様相を示しているのだ。世界唯一の成長国だった中国も昨年、上海バブルがはじけ飛び、低迷期に突入した。

 かような現況は1920年から30年にかけての世界の姿とダブって見える。1925年に英国が金本位制を復活させながら、29年からの世界恐慌により、31年には再び金本位制からの離脱に至った時期だ。ちょうど両大戦間の端境期にあたり、金本位制の消滅が他国通貨の不信感を生み出し、過剰な保護貿易を招くことになった。そして愚かな第2次世界大戦への突入を防げなかった。あの時代にどうも似ているのだ。

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