新型コロナ禍直撃 日経平均「1万5000円割れ」の現実味
28日の日経平均株価は5営業日続落で、下げ幅は一時1000円を超えた。終値は前日比805円安の2万1142円。この5営業日で2337円の大幅下落に見舞われたが、新型コロナウイルスの収束にてこずれば、さらに下がり続けるだろう。コロナ禍ショックは始まったばかりだ。
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このところの日経平均のダダ下がりは米国株の大幅安に引っ張られている。米国では26日に初めて感染経路不明の患者が確認されるなど感染拡大への不安が高まり、パニック売りが起きている。
28日のダウ平均株価は7営業日続落。前日比357・28ドル安の2万5409・36ドルで取引を終えた。下げ幅は一時1000ドルを超えた。12日にマークした史上最高値2万9568ドルから4100ドル以上も下げている。
トランプ大統領は「状況をコントロールしている」と強調しているが、発生地の中国・武漢からの帰国者らと対面任務を担当した保健当局の職員が「(感染防止の)適切な訓練も装備も与えられなかった」と米メディアに告発。米国で感染が急拡大すれば、米国も日本もボロボロだ。
さらに、気がかりなのが円高だ。
「日本は中国に次ぐ新型コロナ感染拡大国だったため、安全資産とされる円が買われず、円高が進行しなかった。これが輸出企業には追い風になり、日経平均の下落を緩和していた面がある。ところが、米国の感染拡大で、円買い、ドル売りに転じつつあります」(兜町関係者)
先週は1ドル=112円台で動いていたが、円高がじわじわ進行。きのうは108円台に突入した。加えて、トランプは利下げ圧力を強めている。3月の連邦準備制度理事会(FRB)での利下げはほぼ確実だ。米金利が0・25%下がると、1ドル当たり2~3円ほど円高が進むとされる。
「大幅続落しているとはいえ、日経平均は2万円台をキープしていますが、この先は不透明です。2月以降の経済指標や企業の決算などに新型コロナの影響が具体的に表れれば、市場はますます敏感になるでしょう」(前出の兜町関係者)