著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「昭和の亡霊・7つの戦時用語」(32)隣組の班長は「小役人」でもあった

公開日: 更新日:
隣組での旧円紙幣に張る証書を配布している様子(1946=昭和21=年2月25日)/(C)共同通信社

 隣組のイメージは、硬軟両面がある。それをもう少し詳しく述べよう。

 まずこの隣組は、歴史的に見るならば、国が国民を指導、管理、そして支配するという意味でもあった。国家の意思を末端まで伝えようとする巧妙な組織であった。大体が10戸から20戸の家族を隣組の一つの班として、内務… 

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