弘道会“人事刷新”は7代目山口組時代への布石か…司忍6代目組長と高山清司前若頭の思惑
「高山イズム」を継ぐ
そして、9月8日、山口組の趨勢に直結する4代目弘道会の人事が公表されたのである。
総裁 竹内照明(6代目山口組若頭)
会長 野内正博(野内組組長)
若頭 南 正毅(3代目高山組組長)
舎弟頭 松山 猛(10代目稲葉地一家総長)
という顔ぶれである。
12月13日に予定されている事始め式では、竹内照明6代目山口組若頭が7代目山口組組長に推挙されるのではないかとの情報もある。現段階では極秘である。だが、そうなれば、いよいよ7代目山口組時代が到来する。
この人事について、暴力団事情に詳しい関係者は、「高山氏の構想通りの人事」と口を揃える。
41年間、一貫して司忍組長を支え続けた高山清司前若頭について、警察関係者も異口同音に〈実質的トップだ〉と是認するなど、その実力は圧倒的である。
私は前述の『月刊実話ドキュメント』の連載中、多くの幹部や親分に取材をしてきたし、弘道会若頭だったころの高山氏の緊迫の素顔にも接してきた。その高山イズムを継承したのが、竹内照明6代目山口組若頭(4代目弘道会総裁)であり、新会長となった野内正博である。
特に野内会長は、〈義理人情と筋を通す〉ことで知られる。自らの不手際で断指するのがヤクザの世界では慣例だが、野内は他の組とのケンカを収めるために自らの指を詰めるという逸話を持つ。ある意味では見事と言えるし、関係者の度肝を抜いたに違いない。
日本最大の暴力団・山口組の行方を占う上で、弘道会の動きから目を離すことはできない。
(成田俊一/フリージャーナリスト)