「在る。」前川ほまれ著
「在る。」前川ほまれ著
富士見ウエスト病院に勤める看護師、倉木透子は3カ月の休職明けで出勤した。新たに配属になった第7病棟はうつ病や不安症の患者が多い。セクシュアルマイノリティーの支援をしているSOGI支援外来の医師、海野彩乃が病棟を案内してくれた。睡眠障害に悩む高校3年生の小竹杏奈は自分のことを「僕」と言い、透子にスケッチブックに描いた絵を見せた。
午後に杏奈の病室に行くと、空から降ってきた大量のカタツムリに襲われた夢を見たと言う。杏奈の父親が娘を普通ではないと言うのを聞いた海野は、「誰かが押しつける普通に、苦しむ人もいますから」と諭した。
現役の看護師が書いた、性の在り方を探る小説。 (KADOKAWA 2035円)


















