鳥谷敬の痛烈な当たりで左手薬指を骨折…パンパンに腫れても「突き指」だと押し通した
2012年4月、インフルエンザで調子を崩して早々に離脱。体調が戻っても、バッティングの調子はなかなか戻らなかった。体に芯がないような感覚。今までにない状態に、衰えを痛感した。
不在の間にブランコが調子を上げ、一度は代打中心の起用に回ったが、今度はそのブランコが骨折。7月から再びスタメン起用が増えた。
7月14日の巨人戦でシーズン初本塁打。このシーズンはこの1発だけだった。これが通算403本目の本塁打で、結果的にこれが現役ラストアーチ。全然うれしくなかった。
こんなはずじゃなかった。せっかく中日に帰ってきて、ファンは俺に本塁打を期待してくれているのに、7月でようやく1本目なんて情けない。こんなのは俺じゃない。
そんな悔しさに満ちた1本目だった。
その後も調子は上がらず、8月に入って無安打が続くと8日に二軍落ち。「引退」の2文字がよぎった。18日にスタメンに復帰したが、22日の阪神戦(京セラドーム大阪)でまた試練が訪れる。
三回裏、鳥谷敬の痛烈な当たりが一塁へ飛んできた。処理の反応がほんのわずか遅れ、捕球する際に左手薬指を負傷。すぐに「骨折したな」と分かった。薬指はみるみる腫れてパンパンに。めちゃくちゃ痛かった。
チームはリーグ2位で巨人と首位争いの真っ最中。主軸を任されていたこともあり、テーピングでグルグル巻きにし、骨折とは誰にも言わず、「突き指」と押し通して試合に出続けた。
でも、やっぱり痛い……。まともにバットを握れないため、左手は添えるだけ。ほぼ右手一本で打っていた。骨折とは言っていないものの、痛みをこらえて出場していることはトレーナーや首脳陣も知っている。だから高木守道監督も最大限に配慮してくれていた。
ところが、30日、福島(郡山)での巨人戦は違った。ベンチスタートだったこの日
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