森永卓郎「書かれている企業は本当にブラックか」

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■「早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした」小林拓矢著

 この数年間で、ブラック企業という言葉が、すっかり社会に定着した。ところが、何となくイメージはあるものの、ブラック企業でどんなことが行われているのかを知ることは、むずかしかった。

 本書は、早稲田大学を卒業した著者が、就職した「ブラック企業」3社での採用から、就業、退職に至るまでの経験を詳細に告白した一種の暴露本だ。

 最初に指摘しておきたいのは、著者には文才があるということだ。だから、あれこれひっかからずに、すっと読めてしまう。ただ、ここに描かれている企業が本当にブラック企業なのかなというのが、正直な私の感想だった。

 確かに2社目のFXの会社は、正真正銘のブラック企業だ。しかし、残りの2社は、それほどひどいとは、思わなかった。私自身、これまでもっとひどい職場環境でずっと働いてきたからだ。毎日、終電がなくなっても働き続ける暮らしを何年もしてきたし、あまりのストレスで十二指腸潰瘍を患ったことも、複数回ある。ただ、それで会社を恨んだことはなかった。仕事そのものを楽しんでいたからだ。

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