森永卓郎「書かれている企業は本当にブラックか」

公開日: 更新日:

 おそらく著者は、楽しめる仕事の範囲が狭いのだと思う。つまり、企業がブラックかどうかというのは、本人の適性に大きく依存するということなのだろう。

 その意味で、著者が最終的に適性のあるフリーライターの仕事にたどり着いたことは、とても幸運なことだ。ただ、私の心配は、著者の才能が高いがために、今後ライターの仕事が増えていって、追い詰められてしまうのではないかということだ。フリーでやっていると、仕事を断れない。断ると次の仕事が来なくなるからだ。しかし、一度引き受けたら、「親が死んでも締め切り厳守」が鉄の掟だ。私自身も、ライターの仕事で、何度も徹夜を経験した。著者の次回作が、「フリーライター残酷物語」にならないことを、祈りたい。

■オススメ本5冊
「早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした」小林拓矢著(講談社)
東大教授」沖大幹著(新潮新書)
「星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント」中沢康彦著(日経BP社)
「素晴らしきインチキ・ガチャガチャの世界 コスモスよ永遠に」ワッキー貝山・池田浩明著(双葉社)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  2. 2

    石田ゆり子ブームは終わらない? ベリーショートに賛否、脱「奇跡の50代」でも人気加速

  3. 3

    国分太一は実質引退か? 中居正広氏、松本人志…“逃げ切り”が許されなかったタレントたちの共通点

  4. 4

    《ヤラセだらけの世界》長瀬智也のSNS投稿を巡り…再注目されるTOKIOを変えた「DASH村」の闇

  5. 5

    池田瑛紗は藝大浪人中に乃木坂46に合格 高校も“私立女子御三家”女子学院卒の超才媛

  1. 6

    作新学院・小針監督の「不適切指導」に私が思うこと 批判するのが“無難”かもしれないけれど…

  2. 7

    TOKIO国分太一「コンプラ違反」秘匿も次々に“セパ報道”で窮地に…復帰は極めて困難な道のりに

  3. 8

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  4. 9

    ポップの本質からズレた、山下達郎の一連の発言への違和感

  5. 10

    国分太一コンプラ違反で「周囲が感じていた異変」…過去にはガングロに"変身”して問題起こした有名人も