「カロリー制限の大罪」山田悟著

公開日: 更新日:

「寿命や糖尿病などの病気の予防効果が得られる」と考えられてきた「カロリー制限」が、有害作用を生じうる危険な食事療法だった――。

 驚くべき告発をしたのは北里研究所病院糖尿病センター長である著者。わずか2年で高度の骨密度の低下や貧血、筋肉量の低下を報告した研究もあるという。そもそも標準体重×25キロカロリーでカロリー摂取量を決めている日本のカロリー制限は、短期的には痩せられるので有効だが、長期の継続性や安全性のデータがないという。ところが、日本では「カロリー制限」が大手を振って、いまだに多くの人に無意味な努力を強いていると著者は主張する。世界的には過去のものになりつつあるというカロリー制限。それが日本ではなぜ後生大事に守られているのか。その問題点を知るためにも読んでおきたい一冊だ。(幻冬舎新書 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」