「カロリー制限の大罪」山田悟著
「寿命や糖尿病などの病気の予防効果が得られる」と考えられてきた「カロリー制限」が、有害作用を生じうる危険な食事療法だった――。
驚くべき告発をしたのは北里研究所病院糖尿病センター長である著者。わずか2年で高度の骨密度の低下や貧血、筋肉量の低下を報告した研究もあるという。そもそも標準体重×25キロカロリーでカロリー摂取量を決めている日本のカロリー制限は、短期的には痩せられるので有効だが、長期の継続性や安全性のデータがないという。ところが、日本では「カロリー制限」が大手を振って、いまだに多くの人に無意味な努力を強いていると著者は主張する。世界的には過去のものになりつつあるというカロリー制限。それが日本ではなぜ後生大事に守られているのか。その問題点を知るためにも読んでおきたい一冊だ。(幻冬舎新書 800円+税)