「文部省の研究」辻田真佐憲著

公開日: 更新日:

 明治維新以降、日本の教育の中心的課題は「理想の日本人像」の探求だった。時代とともにそれは「独立独歩で生きていく個人」から、「天皇に奉仕する臣民」、そして「平和と民主主義の担い手」を経て「熱心に働く企業戦士」へと変遷していった。一方で、日本は世界に通用する普遍的な人材の育成と、共同体の歴史と責任を担う国民の育成というふたつの相反する志向をいかに調和させるかということに腐心してきた。

 本書は、その日本の教育をつかさどってきた文部省(2001年以降は文部科学省)と「理想の日本人像」を通じて、近現代日本の教育史を明らかにする論考。さまざまな組織の介入を受け、現在も官邸主導に振り回される同省の歴史から日本の教育史の根幹を読み解く。(文藝春秋 920円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「遅刻横行」「新入生は練習禁止」…かつての神村学園を変えた小田監督が語った指揮官の矜持

  2. 2

    侍ジャパンは2028年ロス五輪“出場”すら危うい現実 27年プレミア12が目先の焦点に

  3. 3

    相次ぐ海外勢欠場の幸運…日本勢は異例の“棚ボタ”メダルラッシュへ【25日開幕フィギュア世界選手権】

  4. 4

    「高市離れ」が参院自民と霞が関で急加速 11年ぶり暫定予算ドタバタ編成がダメ押しに

  5. 5

    松重豊「孤独のグルメ」続投の裏にある《諸事情》とは…63歳ゴローさんがやめられない理由

  1. 6

    前田敦子“アンダーヘア透け疑惑”写真集が絶好調! トップ張った元アイドルの生き様を女性が強く支持

  2. 7

    沖縄尚学の左腕・末吉良丞は日米争奪戦を呼ぶ「間違いなくドラ1候補」

  3. 8

    サヘル・ローズさん「憲法9条がある日本は世界に平和を訴える独自の役割がある」

  4. 9

    高市首相が画策「逃げ恥国会」は大失敗!予算年度内成立に暗雲、11年ぶりの暫定予算編成へ

  5. 10

    松重豊は福岡の人気私立「西南学院」から明大文学部に 学費の問題で日大芸術学部は断念