「文部省の研究」辻田真佐憲著

公開日: 更新日:

 明治維新以降、日本の教育の中心的課題は「理想の日本人像」の探求だった。時代とともにそれは「独立独歩で生きていく個人」から、「天皇に奉仕する臣民」、そして「平和と民主主義の担い手」を経て「熱心に働く企業戦士」へと変遷していった。一方で、日本は世界に通用する普遍的な人材の育成と、共同体の歴史と責任を担う国民の育成というふたつの相反する志向をいかに調和させるかということに腐心してきた。

 本書は、その日本の教育をつかさどってきた文部省(2001年以降は文部科学省)と「理想の日本人像」を通じて、近現代日本の教育史を明らかにする論考。さまざまな組織の介入を受け、現在も官邸主導に振り回される同省の歴史から日本の教育史の根幹を読み解く。(文藝春秋 920円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    小栗旬がハリウッド“資本”映画で主演も… トラウマ級の英語力と「スター」への高い壁

  2. 2

    ベネズエラ戦惨敗は井端監督の「自業自得」…リリーフ崩壊は昨年末から始まっていた

  3. 3

    侍J選手を“殺した”井端監督の偏重起用、場当たり、塩漬け…こうして結束力に亀裂が生じた

  4. 4

    大谷も「勝てる要素のある試合」と悔いた 侍J最悪のWBC8強止まり…井端監督チグハグ采配の痛恨

  5. 5

    元EXILE黒木啓司がLDHを離れたワケ…妻のド派手すぎるセレブ生活が遠因か

  1. 6

    「ガキ使」の没個性化が進む? 松本人志の“週替わりCM”で「本編」が希薄化の危機

  2. 7

    「国宝」日本アカデミー賞10冠の陰で…森七菜“最優秀助演女優賞”逃した不運と無念

  3. 8

    トランプ米国にすり寄る高市首相の寿命を“値踏み”…自民党内で加速する派閥再興へのシタタカな計算

  4. 9

    小沢一郎氏に聞いた(前編)衆院選での中道惨敗、自身まさかの落選と今後

  5. 10

    国立大学なら入学辞退率がゼロに近いはずだけど実態は? 有名私立と天秤にかけられる意外な大学