大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

公開日: 更新日:

 大阪・関西万博まであと2カ月。チケットが売れない、パビリオンができていない、と散々だが、万博の目玉・巨大木造リングにも見逃せない問題がある。万博会場をぐるりと囲む1周2キロ、高さ12~20メートルの世界最大級の木造建築で総工費344億円。

 主催者側の説明はエコ型未来建造物。「樹木は樹齢30年くらいまでは空気中のCO²を吸収して固定する。伐採した後に植林すれば日本の林業も再生する環境重視だ」と言う。

 ところが巨大リングの木材の大半は国産ではなくフィンランド産。なぜか? 日本には巨大建造物をまかなえる木材は量的にも価格的にも対応できないからだ。海外木材が比較的安価とはいえ、輸送費を考えるとエコ度はグッと下がる。

■50%程度は四国産のヒノキ、福島産のスギ

 実際、建設を請け負った大林組のHPにも「50%程度は四国産のヒノキ、福島産のスギを採用」とあいまいな表現で、使っているのはメインではなく橋脚部分だ。


 とんだ未来建造物だが、問題は万博が終わった後の始末だ。当初、万博協会は解体する計画だったが「約350億円もかけて壊すのか」と批判が出た。あわてて1月下旬に地方自治体などに「再利用しませんか」と説明会を開いたが、「解体費や運搬費を負担するなら新材を買った方が安い」と散々。かといって万博遺産のレガシーとして残しても維持費がかかる、と頭を抱えている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明