「とにもかくにもごはん」小野寺史宜著

公開日: 更新日:

 月2回、午後5時に開店する「クロード子ども食堂」。貧困状態にある子どもたちに無料で食事を提供している。クロードを開いた松井波子は夫の隆大とうまくいっていなかった。

 ある日、帰宅途中の隆大を見かけて後を追うと、隆大は児童公園に入り、ベンチでビールを飲み始めた。波子が声をかけると、隆大は、裏のアパートに住む小学生の男の子がここで菓子パンを食べていたと言う。電気代が払えず、電気を止められた自宅より明るいからと。一度でもうちで飯を食わせてやればよかったと隆大は言ったが、その5日後、隆大は交通事故で死んだ。隆大の言葉に動かされて、波子は子ども食堂を始める。

 子ども食堂に集まる人々の心温まる物語。

(講談社 1705円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  2. 2

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  3. 3

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 4

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  5. 5

    日銀を脅し、税調を仕切り…タガが外れた経済対策21兆円は「ただのバラマキ」

  1. 6

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  2. 7

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 8

    林芳正総務相「政治とカネ」問題で狭まる包囲網…地方議員複数が名前出しコメントの大ダメージ

  4. 9

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  5. 10

    角界が懸念する史上初の「大関ゼロ危機」…安青錦の昇進にはかえって追い風に?