「電車のなかで本を読む」島田潤一郎著

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「電車のなかで本を読む」島田潤一郎著

 群馬県の桐生でトークイベントの仕事があったとき、著者は群馬県在住の絲山秋子の「夢も見ずに眠った。」を持っていった。指定席に座って缶コーヒーを手に本を開く瞬間が、著者が最も好きな瞬間だ。

「夢も──」は、非正規の仕事をしている夫とキャリアウーマンの妻の物語である。それぞれの視点から2人の過去のことや、琵琶湖、盛岡、出雲などの旅先で心が動いたことなどを描いている。

 夫婦の心は安易に融和することもなくバラバラのように見えるが、「人間がふたりで暮らすというのはこういうことだ」ということが正確に書かれていて、読んでいると、時に苦しくなったり、これは自分たちのことだと思ったりする。

 ひとり出版社の「夏葉社」を立ち上げた著者が「本を読む」ことについて語る。 

(青春出版社 1760円)

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