「夢も見ずに眠った。」 絲山秋子著

公開日: 更新日:

 2010年9月、高之は妻の沙和子と岡山に向かう。最初に倉敷を観光する予定だったが、高之は以前から気になっていたカブトガニ博物館に立ち寄ることを提案。予定変更を嫌う沙和子は、怒って倉敷で降りてしまった。沙和子が有休をとってやっと実現した旅だったのに。沙和子もそんな自分を持て余してはいた。

 翌年、金融会社で働く沙和子が札幌に異動になった。結婚当初は無職で、非正規の仕事を始めたばかりの高之は、今まで通り、婿養子に入った沙和子の実家の離れで暮らすことに。1年半後、夫婦で琵琶湖を旅した時、沙和子は夫との関係が変わりつつあることに気づく。

 お互いに思いやりながらも気持ちがずれ、そして再びお互いを再発見する男女の12年間をロードムービー風に描く長編。

(河出書房新社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  2. 2

    崖っぷち渋野日向子に「日本人キャディーと縁を切れ」の声…外国人起用にこれだけのメリット

  3. 3

    だから今年の日本女子オープンはつまらない…“簡単コース”で予選カットラインは史上最少「-1」

  4. 4

    森保監督がブライトン三笘薫を代表招集外にしたウラ側…10日パラグアイ戦、14日ブラジル戦へ

  5. 5

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  1. 6

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  2. 7

    フリーの風間俊介&生田斗真は大活躍も…旧ジャニ「ドラマ班」次世代は“自称”止まりの寂しい現状

  3. 8

    テレビはグルメ、熊、線状降水帯ばかり…もっと大事なことを放送したくないための隠れ蓑か

  4. 9

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  5. 10

    次の自民党総裁選が誰でも菅義偉が“陰の主役”…絶対王者の力の源泉は何なのか?