「乱世を看取った男」吉川永青著

公開日: 更新日:

乱世を看取った男」吉川永青著

 10歳の九郎は、山名宗家の現当主である伯父・祐豊の但馬の居城で、兄とともに育った。父の豊定は因幡の守護代を務めており、祐豊は父親代わりでもあった。

 室町時代、日本66州のうち11州を占め「六分一殿」とまで呼ばれた山名一族だが、いまや家領は但馬と因幡を残すのみ。永禄3(1560)年正月、兄弟は元服し、兄は豊数、九郎は豊国の名を与えられる。同年、豊定が急逝。因幡の守護代は、祐豊の息子・棟豊に引き継がれる。

 しかし、因幡領内で混乱が続く中で、棟豊が毒殺された。新たな守護代として因幡に向かう豊数の供をする豊国の脳裏にある疑念が浮かぶ。

 心ならずも裏切りを繰り返し、後世に悪名をとどろかせた戦国武将・山名豊国の波乱に満ちた79年の生涯を描く歴史小説。

(角川春樹事務所 990円)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  2. 2

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  3. 3

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  4. 4

    W杯最終予選で「一強」状態 森保ジャパン1月アジア杯ベスト8敗退からナニが変わったのか?

  5. 5

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  1. 6

    指が変形する「へバーデン結節」は最新治療で進行を食い止める

  2. 7

    ジョン・レノン(5)ジョンを意識した出で立ちで沢田研二を取材すると「どっちが芸能人?」と会員限定記事

  3. 8

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 9

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  5. 10

    「踊る大捜査線」12年ぶり新作映画に「Dr.コトー診療所」の悲劇再来の予感…《ジャニタレやめて》の声も