「家康が最も恐れた男たち」吉川永青著

公開日: 更新日:

 家康は、病の床で子々孫々に申し伝えるべき遺訓を記す。すべて、家康の前に立ちはだかった難敵から学んだことだ。彼らの何を恐れ、そこから何を得たのか、家康は林羅山に語って聞かせる。

 将軍・足利義昭が信長討伐の密使を各地に放ったとの噂が広まる中、浜松城の家康に奥三河の三方衆が揃って、武田側に寝返ったとの知らせが届く。家康は領国、そして信長との盟約を守らなければならない。

 しかし、奥三河の3人は、信長討伐に立ち上がった武田の侵攻を阻む役割を担っており、その寝返りは家康にとって驚天動地の一報だった。信玄の死後、家康はあのとき、真っ先に奥三河の3人を調略した信玄の深慮遠謀に気づき、恐れを抱く。(「武田信玄」)

 そのほか、信長、真田昌幸、秀吉ら家康の視点で8人の武将を描く連作。

(集英社 924円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ