「史上最大の大量絶滅では何が起きたのか?」土屋健著 大山望ほか6人監修

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「史上最大の大量絶滅では何が起きたのか?」土屋健著 大山望ほか6人監修

 地球に生命が誕生したのは今から35億年以上前の海。その後4億1900万年前に始まるデボン紀には脊椎動物が陸上へ進出し、2億9900万年前に始まるペルム紀には哺乳類の先祖、恐竜の祖先、両生類などが誕生し、熾烈な生存競争を繰り広げた。

 35億年の生物史の中で、過去「ビッグ・ファイブ」(白亜紀末の恐竜絶滅もそのひとつ)と呼ばれる5回の生物大量絶滅事件が起こっているが、ペルム紀末の2億5200万年前には最も大規模な事件が起こり、実に96%の海生動物の種が絶滅したとされている。本書はこの未曽有の大量絶滅事件について、それがどのように起こったのか、その影響はどのようなものだったかに迫ったもの。

 原因については、確定した説はないというのが現状だが、大規模な火山活動による気候変動にほかのさまざまな要因が組み合わさったものというのが有力だ。現在ではペルム紀の大量絶滅は2段階にわたって起こったというのが定説で、1段目の時期には地球の平均気温が18度、2段目には40度に達したといわれる。昨年の観測史上3番目の高温記録が約15度だから、この想像を絶する温暖化ぶりが生物に大きな影響を与えたことは間違いない。

 それにより、「単弓類」という大型肉食種・植物食種を擁する大きなグループが絶滅、また大いに繁栄した側爬虫類が衰滅し、代わって現在の爬虫類につながる真爬虫類が台頭してくる。サカナでは、4つあったグループのうち鰭の前後にトゲを有する棘魚類が絶滅。植物相では、石炭の素材となる樹木が衰退した「コール・ギャップ」と大規模な森林崩壊が起こった。

 このようにペルム紀の大量絶滅事件はそれまでの古代生物の地図を大きく塗り替え、後のジュラ紀、白亜紀の恐竜時代を促し、その絶滅後には哺乳類の多様化から人類の誕生へとつながっていく。もし大量絶滅なかりせば……、そんな夢想もかき立てられて、刺激的だ。〈狸〉

(講談社 1210円)

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