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坂倉昇平

1983年、静岡県生まれ。東京都立大学人文学部卒、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。若者の労働問題・貧困問題に取り組むNPO法人「POSSE」理事兼雑誌「POSSE」編集長。近著に「AKB48とブラック企業」(イースト新書)がある。

「総選挙」直前連載 AKB48はブラック企業なのか<5>

公開日: 更新日:

 人気競争から距離を置き、自分の専門性を生かした働き方――それは、実はブラック企業対策の要である。ブラック企業のみならず、日本型雇用においては、正社員であれば誰もが会社に従順なキャラクターであることが評価対象となり、長時間残業や転勤を断れず、出世競争に駆り立てられる。ブラック企業にいたっては若者を出世すらさせず、使い潰していく。

 心身や生活を破壊される長時間残業や転勤を断り、それらが優先される競争から外れても、安定して働き続けられる雇用。そうした命令や競争に縛られないために、また会社を辞めた時の転職のしやすさのためにも、自分の専門的な「仕事」を身につけられる働き方。これは、ブラック企業や日本型雇用の対極にあるものだ。そのイメージを先ほどのメンバーに重ねることもできるだろう。

 もちろん楽観は許されない。立候補制は、メンバーが卒業を決断する「踏み絵」となっているのも現実だ。

 AKBの代名詞ともいえる総選挙に出ないならAKBを辞めるべきというファンをはじめ、圧力は根強い。昨年度や今年度に立候補しなかったメンバーの多くが、まもなく卒業を発表している。

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