著者のコラム一覧
佐藤雫作家

1988年、香川県生まれ。「言の葉は、残りて」で第32回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。著書に「白蕾記」「花散るまえに」ほか。

(12)漆の木の幹に鉋で削った傷跡

公開日: 更新日:
イラスト・鈴木ゆかり

 各々が持ち場に向かって、一人また一人と山道を分かれていき、今は、サキとロンと一弥だけになっていた。

 朝露が光る草を踏み分けて、坂を登り、森を抜けると、サキが笑顔で振り返った。

「こごが、お父が残した、漆林だ」

 サキの言葉に、一弥は違和感を覚えた。お父が残し… 

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【連載】江戸おんな職人余録 第四弾 漆の一滴

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