著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

「老いへの不安」が老化を招く? 米国の研究チームが報告

公開日: 更新日:

 人は年齢を重ねるごとに「老化」に対して漠然とした不安を感じやすくなります。このような不安が生じる理由は、健康状態の悪化や身体機能の低下、外見の美しさが失われることなど、人によってさまざまです。

 老化に対する不安はまた、細胞内の遺伝子の働きにも影響を与え、生物学的な老化(実際の身体的な老化)を加速させる可能性が指摘されています。そのような中、老化に対する不安の感情と生物学的な老化の関連性を検討した研究論文が、国際精神神経内分泌学会誌の2026年2月号に掲載されました。

 米国で行われたこの研究では、全国的な健康調査に参加した726人の女性(平均50.4歳)が対象となりました。被験者に対して、外見の衰え、健康状態の悪化、出産機会の喪失に対する不安が調査され、採血データから得られた遺伝子情報をもとに、不安と生物学的な老化との関連性が分析されました。

 その結果、健康状態の悪化に対する不安が強いほど生物学的な老化のスピードが速く、不安の度合いが1標準偏差上昇するごとに、生物学的な老化が0.07標準偏差上昇しました。標準偏差とは、データ全体のばらつきの大きさを「1」とした尺度です。不安の強さと生物学的な老化は、量的な単位が異なるため、標準偏差という数値に換算して比較されているのです。

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