著者のコラム一覧
坂倉昇平

1983年、静岡県生まれ。東京都立大学人文学部卒、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。若者の労働問題・貧困問題に取り組むNPO法人「POSSE」理事兼雑誌「POSSE」編集長。近著に「AKB48とブラック企業」(イースト新書)がある。

「総選挙」直前連載 AKB48はブラック企業なのか<4>

公開日: 更新日:

大組閣は「人材育成」か「ムチャぶり」か

 今回の総選挙の話題のひとつは、今年2月の「大組閣」の影響だ。この「人事異動」イベントで、各グループ内のチームのメンバーが入れ替えられ、さらに複数のメンバーが、別の地域のグループへの「移籍」「兼任」を指示された。

 こうした「配置転換」の命令は、自らの短期的な利益を優先して若者を使い潰してしまうブラック企業の特徴だ。ただし、昔ながらの日本型雇用の会社でも配置転換はある。それは左遷の場合もあるが、さまざまな部署を経験させ、社内の異なる仕事を経験させることで、社員を育成するという役割もある。

 AKBの大組閣に見られた配置転換も、好意的に考えれば「人材育成」と見ることもできる。これまでと異なるメンバーと交流し、異なる地域や仕事を経験することで、メンバーの教育につながるというわけだ。

 ただし、こうした教育は、その会社で働き続けるならともかく、転職した途端、通用しなくなってしまう。AKBであれば、前回論じた総選挙同様、卒業後の夢の実現につながるスキルや経験とは必ずしも関係しないのではないだろうか。

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