著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

2種類の「セルフトーク」でプレッシャーを吹き飛ばす

公開日: 更新日:

“自分への声かけ”を意味する「セルフトーク」には大きな効果があることが、科学的に立証されています。インドにあるI.P.(P.G.)カレッジのチョードリーは、「アスリートの独り言が、スポーツの成績やメンタルにいかに良い影響を与えるか」について先行研究をまとめたレビュー論文(2023年)を発表しています。

 彼女は、過去に行われた「セルフトーク(自分への声かけ)」に関するさまざまな研究を包括的にまとめているのですが、「セルフトーク」には、テッサリー大学のハツィゲオルギアディスらのメタ分析に基づくと、大きく分けて2つの種類があり、それぞれ違う効果があるようです。

 1つ目が、「よし、いける!」「がんばれ!」といった奮い立たせる言葉です。これは、持久力やパワーを要する粗大運動課題(例:自転車こぎなどの全身持久運動)において効果的であることが示されています。パワーやスピード、スタミナが必要な場面で、自分を奮い立たせて限界以上の力を出すのに役立つ“やる気を引き出すセルフトーク”が存在するということです。

 もう1つが、「ヒザを曲げて」「肘を高く」など、動きのコツを自分に言い聞かせる言葉です。こうした言葉を使った選手は、テニスのストロークやバスケットボールの正確なシュート、ゴルフのパッティングといった精密さやコントロールを要する課題で、特に効果的だったことが確認されたといいます。正確さやコントロール、細かいテクニックが必要な場面で、頭の中を整理して正しい動きをするのに役立つ“動きを指示するセルフトーク”。

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