「花燃ゆ」陰の主役 松陰が最も信頼寄せた楫取素彦の生き方

公開日: 更新日:

 そこで出会ったのが、1つ年少の吉田松陰である。2人の結びつきの太さは、楫取が松陰の2人の妹と結婚したことでも分かる。最初の妻が次妹・寿で、彼女の死後に久坂玄瑞の未亡人だった末妹・文と再婚したのだ。

「楫取は維新後、足柄県参事、群馬県令などを歴任。当時としては長命の83歳で亡くなりましたが、若くして亡くなった松陰に代わり、最後まで彼の大望を実践した人物でした」(中村氏)

■松陰が託した孟子の言葉

 政治家として彼は“100年先を走っていた”とも評されている。

 まず、子供たちの教育制度の整備。まだ義務教育すら理解されていないような時代に県民を説得し、幼稚園、小中学校、女学校などを設立。就学率を全国トップレベルに引き上げた。群馬県は現在でも、全国学力テストで上位に顔を出す県だ。

 次に地方の独立。富岡製糸場に代表される製糸業を奨励し、独自の産業を興した。今まさに「地方創生」が叫ばれているが、すでにこの時代に自主的な行政を目指している。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方