「花燃ゆ」陰の主役 松陰が最も信頼寄せた楫取素彦の生き方

公開日: 更新日:

 幕末の志士たちの活躍を描いたNHK大河「花燃ゆ」がスタートした。主人公は、井上真央が演じる吉田松陰の妹・文。ただ、この物語には陰の主役がいる。文の夫で、吉田松陰が最も信頼した楫取素彦(かとりもとひこ=小田村伊之助、配役は大沢たかお)である。

「楫取素彦は、明治維新の立役者のひとりでありながら、スタンドプレーやハッタリといった、今の政治家が行うようなことを最も嫌った人物でした」

 こう言うのは、のちに群馬県令(知事)となる楫取素彦の研究者で、群馬県議の中村紀雄氏だ。

 楫取は歴史の表舞台にこそ顔を出さないが、桂小五郎(木戸孝允)に坂本龍馬を紹介し、薩長同盟の道筋をつけたキーパーソンである。派手さこそないが、堅実で実直な人柄。「オレが、オレが」で出世していく今の時代の打算的なサラリーマンとは、ひと味もふた味も違う魅力的な人物である。

 楫取は文政12年(1829年)、長州藩の藩医の次男として生まれた。16歳で藩校・明倫館に入学。秀才として誉れ高く、22歳で江戸修行を命じられた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし