俳優・宝田明氏 「反戦がテーマのゴジラを国会で上映したい」

公開日: 更新日:

■いまでもロシアに吐き気覚える理由

 こうした発言が重みを持つのは、宝田自身、命を落としかけた体験があるからだ。

「略奪にきたソ連兵に、頬に銃口を突きつけられたときの冷たさ。真の恐怖を前にすると歯がガタガタ震えて止められないんです。兵隊だった兄の姿を求めて列車を迎えに飛び出したときには腹を撃たれました。彼らは民間人の子供である私をダムダム弾(激しい肉体損傷を伴う非人道的弾丸で、ハーグ陸戦協定で使用を禁じられていた)で撃ったのです。ロシアには素晴らしい文豪や作曲家、映画があるのに、この体験のせいで今見ても吐き気がしてしまう。戦争が憎悪しか生まないというのは、こういうことです」

 偶然、元軍医が近くにいなかったら、主演を務めた「ゴジラ」も誕生しなかったかもしれないのである。

「反核や反戦のテーマをこめた初代『ゴジラ』は米国にとって都合が悪く、大幅にカットしなければアチラで上映できなかった。今、アメリカの戦争に加担はしないとハッキリ言い返せない議員たちのため国会議事堂で上映して“61年も前に日本人はこれほどのものを作ったんだぞ”と言ってやりたいね」

 外地から命からがらの悲惨な引き揚げを体験し、「人間の起こす最も大きな罪は戦争です」と語る宝田の言葉を、日本人は今こそ噛み締めるべきだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  3. 3

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か